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ED治療薬と血管の老化

医学の世界では人間の老化とは血管の老化であるという考え方があります。いろいろな理由で酸化ストレスにさらされると血管の内皮が傷害され、NO(一酸化窒素)の産生が低下して、陰茎海綿体に十分な血液が回らなくなると考えられます。

バイアグラ、シアリス、レビトラは、ホスホジエステラーゼ5阻害剤(PDE5阻害剤)に分類されるED治療薬です。このホスホジエステラーゼは、全身に存在します。とりわけPDE5が陰茎海綿体に多いため、その阻害作用を有するバイアグラ(一般名:シルデナフィル)は、NOの産生を促進して勃起機能改善作用を発揮します。しかし、陰茎海綿体以外にも作用するため副作用を生じることがあります。レビトラ、シアリスは陰茎海綿体へ選択性が非常に高く、バイアグラより、副作用が少ないと予想され、実際に、各薬剤メーカーの報告、使用実績からも、シアリス、レビトラは、バイアグラに比較して、副作用が少ないと考えられています。 (注;副作用発現は、個人差がございます。御本人様にあった、薬剤の選択をお勧めします)
勃起改善作用、副作用以外にも上記のED治療薬の有用性を示す報告があるため紹介したいと思います。

EDが重症な者に性行為に関係なく毎週末バイアグラ(シルデナフィル)50mgを定期的に内服してもらったところ、6カ月後には酸化ストレスの指標である8-OHdGは1/3に、男性ホルモンであるテストステロンは2倍に上昇したという報告があります。
また、心血管系リスクのある男性がシアリス(タダラフィル)20mg隔日投与を4週間継続服用すると血管内皮機能を評価する血流依存性血管拡張反応が有意に改善し、この効果は服用中止後2週間後も継続したという報告があります。つまりシアリスの継続投与は血管の老化防止効果もあると考えられています。

EDは酸化ストレスにより血管内皮細胞からのNO産生が減少することが大きな原因であり、男性が自分で気づく最初の生活習慣病といえます。バイアグラ、レビトラ、シアリスなどのPDE5阻害薬にはEDの画期的な治療薬である以外にも、定期的な服用でテストステロンを高め、酸化ストレスを低下させ、血管内皮機能が高まることから生活習慣病・癌予防につながる可能性が期待されています。


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