Vol.116 ED治療薬使用者に対するインターネット調査
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ED治療薬を服用している人たちは、自身の性生活に対してどのようなことを感じているのでしょうか。ED治療薬は勃起の強さや持続時間といった、性機能の改善を促します。そして、ED治療薬による身体的な変化は、性生活に対しての印象や感じ方などの精神的な側面にも影響を及ぼします。
今回はPDE5阻害薬を使用しているEDに悩む日本人男性の、性生活に対する心理的な側面を調査した研究を紹介します。この研究では、シルデナフィル(バイアグラ)、バルデナフィル(レビトラ)、タダラフィル(シアリス)という使用しているPDE5阻害薬の種類別に性生活についてのインターネット調査を行いました。
その結果がまとめられているのが、「Sexual life of Japanese patients with erectile dysfunction taking phosphodiesterase type 5 inhibitors: An Internet survey using the Psychological and Interpersonal Relationship Scales-Short Form questionnaire」という論文です。インターネット調査のターゲットはPDE5阻害薬を使用している日本人男性546名です。
PDE5阻害薬を使用している日本人の精神面をPAIRS-SFという尺度を用いて、性生活への「自信」「自発性」「時間的懸念」の3つの観点から調査しています。
“自信の性機能に満足している”“勃起をすることに自信がある”などの質問から構成される「自信」の項目では、バルデナフィル(レビトラ)・タダラフィル(シアリス)使用者がシルデナフィル(バイアグラ)使用者と比べて高い「自信」を持っている結果が示されました。これは、性生活に対する「自発性」の項目においても同様であり、バルデナフィル(レビトラ)・タダラフィル(シアリス)使用者の方がより高い値を示していました。
最後の「時間的懸念」は“治療薬を服用後、できるだけ早く性行為がしたい”“時間を気にしすぎてムードを壊してしまうことがある”などの質問項目からなります。この項目では、タダラフィル(シアリス)使用者が、最も「時間的懸念」が少ないという結果となりました。
このインターネット調査が着目しているポイントは、勃起強度や持続時間などのパフォーマンスではなく、性生活に対してどのように感じているのか、という点です。ED治療薬は性機能に対して直接効果を及ぼしますが、それに満足できるのか、自信を持てるのか、というのはまた別の問題となります。
今回の調査では、EDに悩む日本人の性生活に対する精神的な側面に対しては、タダラフィル(シアリス)が最も効果的ではないか、という可能性が得られました。ただし、20mgの高用量での使用が認められているバルデナフィル(レビトラ)、タダラフィル(シアリス)に対して、シルデナフィル(バイアグラ)は日本での高用量服用が認められていないという特徴があります。また、今回の調査ではそれぞれの回答者の服用用量を加味していないことに加えて、インターネット調査であることによる回答結果の信頼性が保証できないことには留意が必要です。
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