このコラムでも紹介しましたが、ED治療薬を性行為と関係なく毎日飲む、いわゆる連日投与法というものがあります。長時間作用型のシアリスでは、血管機能の改善や内服中止後も、しばらくEDの改善が続いたりと、良い結果が得られました。
同様な効果が他のED治療薬でも得られないか?そんな疑問はやはり湧いてきます。
そんな疑問に答えてかどうかはわかりませんが、バイアグラについて連日投与法の有効性を調べた論文があったので紹介しようと思います。
タイトルは「Daily Use of Sildenafil Improves Endothelial Function in Type 2 Diabetic Men.」。Journal of Andrologyという医学雑誌に2011年6月に掲載されました。
訳しますと、「シルデナフィル(バイアグラ)を毎日使用すると、2型糖尿病の男性の血管内皮機能が改善する」と、いったところです。
データの信頼性ですが、二重盲検法の前向き研究という信頼度の高い方法で調べられています。その詳細は24人の2型糖尿病患者さんを、バイアグラ50㎎内服する集団と偽薬を内服する2群に分けて、10週間毎日薬を飲んでもらうというものです。
そして、勃起の硬さをIIEF‐5というスケールで評価し、血管機能は超音波を使用したFMDという値で評価しています。(IIEF‐5とFMDについての説明は省きます)
気になる結果ですが、IIEF‐5スコアで評価すると、10週間後のバイアグラ群の患者さんたちは、勃起の硬さは著明に改善し、血管拡張機能を評価するFMDでもバイアグラ群は偽薬群より優れた結果がでました。
血管機能とは、必要に応じた血管拡張作用が得られることと、ほぼ同じ意味です。そして、血管年齢とは血管機能のことを指しており、アンチエイジングとは血管年齢を若く保つことと認識されています。
つまり、バイアグラを毎日50㎎内服することで血管年齢が若くなる可能性があるということです。
シアリスでも同様の結果が、既に報告されていますが、バイアグラでも得られる可能性があるということは朗報です。
シアリスではなくバイアグラで連日投与の効果が得られたメリットは…次回のコラムで説明したいと思います。